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高橋源一郎『日本文学盛衰史』
読書しつつ感想しつつ(19)
 普請中
-----ネタバレあり。注意。

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我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか 4


再びピンと田山花袋が対峙している。

ピンは、
花袋が書いたという
『「生」における試み』を取り上げて言う。

「とにかくね、あんたは、繰り返し、あるがままを見ろといってるわけ」
「どうもそうらしい」
「で、自然主義の作家って、みんなあんたの真似をしてるわけだろ」
「その可能性は高いね」
「じゃあ、みんな小説なんか書かずに、ビデオでも撮ればいいじゃん」

この極論は、さて、どう捉えたらいいのか。

しかし、あまりはっきりしないまま、
『蒲団』をめぐる一連の展開は、
この章で終わってしまうのだ。

途中こんな場面がある。


内心でつぶやいたはずのピンの言葉に、
花袋が反応して返事をしたかにみえた。
もしやテレパシーでは? 
ピンは驚くが、
どうやら、花袋の無意味なひとり事にすぎなかったようだ。

自然主義小説では、
自分の内面から他人の内心まで、
きちんと観察し描写しているかのようだが、
これは単なる錯覚であって、
作家はただひとり事を述べているだけだ。

そんなふうに取れなくもない。


Junky
2001.6.13


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