「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(ジム・ジャームッシュ)

映画100年、恋だの夢だの嘘ばっかりついてきた歴史。でも「ストレンジャー・ザン・パラダイス」だけは、存在すること、そのやりきれなさをただ、スクリーンに映し出した。リアルということの極北。白く途切れるフィルムの側ではなく、終われない僕らの日々の側で、3人はずっとたたずみ続ける。しかしなにより悲しいことは、そんな手応えすら、たかが映画にすぎないという事実だ。
「そうさ実際おれは今無人島にひとりきりじゃないか、なにがやりきれなさだ、なにがたたずみ続けるだ、それよりこの現実をどうしてくれる!」と泣きわめこう。
この世で映画と取り替えがきくものなど何もない、そんなことに僕がようやく気づいた1980年代以降、同時代の作品として映画館で見たものの中からひとつ選ぶならこれです。
しかし、無人島に映写機あるでしょうか?ビデオデッキあるでしょうか?ちょっと心配。

無人島アイテム一覧表