追想 '99夏

旅先でことさら
思い当たらなく
てもいいことに
思い当たる旅先

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9.23第43日チョルポンアタ→ビシュケク
もういいかげん動かないと

なんだかんだと長い正月休み、ぼ〜っと過ごしてしまいました。そしたら、また3連休とかで。きょうこそもういい加減にイシククル湖を出てビシュケクに戻らないと。ということで、旅日記の再開。ちょっとだけですが。とにかく移動しよう。

そんなわけで、チョルポンアタのバスターミナルから、タクシーやミニバスの執拗な誘いを懸命に断って、大型の路線バスに乗り込む。一日に数本の路線バスがあるがバスの種類で乗り心地に差があるようだ。最も楽ちんな三菱(地元でもそう呼ぶ)のバスにもうちょっとで乗れるところだったが、結局次のバスになってしまって残念。

このバスにおける衝撃。
1バスターミナルで、子供を抱えゴミ箱の中に便をさせている親を目撃。
2バスの下部は荷物を置くスペースになっていて、リュックなどもそこに置いていたのだが、途中で羊を連れた男がバスに乗ることになり、なんと羊8匹をその荷物スペースに押し込むではないか。羊も大変だが、私のリュックも大変だ。だいぶ心配したが、なんともなかった。たぶん羊のスペースとバッグのスペースは仕切られていたのだと思う、

こっちはあまり衝撃でもないが、ビシュケクのターミナルに着いてバスを降り、リュックなど背負ったとたん、例のポリがやってきた。従順な素振りを装いながらすっと逃げてきた。しかしターミナルの出口で別のポリに捕まった。でも形式的にパスポートを見せて終わった。向こうは外国人を振り向かせるために一応英語で話かけてくるから、こっちはその英語がちっとも聞き取れない脳天気な旅行者を装うのがいいようだ。

2度目のビシュケク。今度は、Nくんが勧めてくれたゾロタキルギスタンという宿を探した。地球の歩き方に載っているが分かりづらいと言って、Nくんが詳しく地図を書いてくれたので、どうにか見つかった。ここはアパートを利用したホテル。他のアパートもいくつか建ち並ぶ緑多い一角にあり、市街地のど真ん中でもあるので、ロケーションは申し分ない。部屋はそれほど素晴らしいわけでもないが妙に安らげるので、17日に宿泊した牢獄風アクサイがやっぱり相当ひどいところだったと推測できた。ただ、天井の電灯が一個しかなくて、暗い。よし!と外に出てキオスクで電球を探したら、あった。100ワット電球が6ソム。とても明るい。いいことだ。本を読んでも目が疲れないし、気分も良い。これから暗い部屋の場合はこの手で行こう。

それと、なんと、粉にひいた状態のコーヒー豆を、夜になってからついに見つけたのだった。ホテルのそばのきれいな食料品店。150ソムだが迷わず買い、部屋に戻ってさっそく飲んでみる。エスプレッソで濃いがうまい。中国と違ってやはり熱湯は手に入りにくいので、簡単な電熱湯沸かし器をチョルポンアタで買ったことは書いたが、このコーヒーと湯沸かし器がそろえば百人力。ここから先の旅はコーヒーと一緒だ。

それにしても、このホテルの周辺は垢抜けして清潔感がある。アクサイ近辺とはえらい違いだ。ここに来て、ビシュケクの印象が急激に良くなった。

いろいろ歩いてシャシリク(肉の串焼き)など食べる。羊だと14ソムで、牛だと12ソム。肉屋に行っても牛より羊の方が高い。不思議だ。中国では羊の串焼き(シシカバブ)をそれほどうまいと思えなかったが、ここではいける。ラグマンと呼ばれる麺も食べた。ドロリとした濃く辛い汁で食べるうどんだ。 丼に入っている。これも羊肉のはずだが、うまかった。

そんなわけで、計画ではあした隣国ウズベキスタンの首都タシュケントに発つことにしているのだが、ここにきてビシュケクを去るのが惜しい気がしてきた。

それと関係ないはずなんだけど、旅の追想も疲れてきた感じ。書くのも、読むのも。このあとメインの旅先であるウズベキスタンが待っているというのに。いいや、休み休み行こう。

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Junky
2000.1.13

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