連載
旅の話、聞きたいって?


第10回 帰ったよ!'99

Junky : どうもお待たせ。

やや哲学的な猫 : やあ、久しぶり。

Junky : ボられたかな、今の地下鉄。10元で足りないなんて。

哲 猫 : 10元?

Junky : ちょっと乗っただけなのに。10元っていったら、羊の串焼きが5本も食べられる。

哲 猫 : まあここは中国じゃないんだし。

Junky : バスならウルムチから天地まで行っちゃうぜ。

哲 猫 : どこだよ、それ。

Junky : いや僕のような国際トラベラーになるとさ、価格の判断には元換算が好都合でね。

哲 猫 : ふ〜ん。

Junky : 結局まけてくれなかったな。君も10元払ったのか?

哲 猫 : 切符を値引きするやつなんていないよ。

Junky : あいつら。そうとう儲けてるぞ。

哲 猫 : とにかく近くの店で、なんか食べよう。



哲 猫 : 今回は中国から中央アジアに行ったんだって?

Junky : そう。カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンと回って、最後に飛行機でソウルに寄って帰ってきた。

哲 猫 : あの辺って安く旅行できる?

Junky : できるよ。特にウズベキスタンは安かった。というのも闇両替があってさ。銀行だと1ドル180スムくらいのところを、闇で換えると550スム。

哲 猫 : ざっと3倍か。

Junky : うん。でもウズベクは高額の紙幣が無くてね。100ドルを一気に闇で換えると、スムの札束がごっそり出てくるわけ。びっくりするよ。数えるのがまた面倒くさい。財布になんてとても入りきらないから、札束を輪ゴムで留めて、デイパックにそのまま放り込んで持ち歩いてた。

哲 猫 : へえ、すごい。

Junky : なんか成金気分だったよ。



店 員 : いらっしゃいませ。お食事ですか。

Junky : うわ、日本語だ。気をつけろ。こういうのに限って人をだますから。

哲 猫 : おいおい失礼なこと言うなよ。 

Junky : あ、水なんか飲んじゃだめだ。

哲 猫 : ・・・・

Junky : おしぼりも使うな。あとできっと追加料金取られて泣きを見る。

哲 猫 : 大丈夫だって。

Junky : いやいやよくある手口だ。

哲 猫 : ほら、メニュー。

Junky : なになに。ハンバーグが1000、カレーライスは800・・・え〜っと、これウォンかな。

哲 猫 : ウォン?

Junky : だったら任せとけって。韓国には10000ウォン札と1000ウォン札があってさ。日本みたいだろ。だから5000請求されたら1000と書いてある札を5枚渡せばいいんだ。

哲 猫 : 当たり前じゃないか。

Junky : ところがなんと、それは5000だけど5000円じゃないんだ、500円ということなんだ。なぜなら円はウォンの十分の一。10000は1000円、5000は500円。全然平気だろ。

哲 猫 : いや、でもこれは・・・

Junky : つまり、このハンバーグの場合は、1000とあるから1000の札が1枚でいいわけ。だから、それは円に直すと・・・あれ?1000円か、へんだな、やけに高いな。

哲 猫 : だから最初から円だって。

Junky : 金足りないかも・・・

哲 猫 : どこ探してるんだよ。財布はここだろ。

Junky : あそうか。リュックじゃないんだ。ついウズベクのくせで。

哲 猫 : 貸しとこうか、少し。

Junky : いや持ってる持ってる。じゃちょっと失礼して。

哲 猫 : あズボンなんか下げて。

Junky : 腰のセイフティベルトに隠してあるもんで。

哲 猫 : 日本に帰ったんだから、そこまでしなくても。

Junky : いや、油断は禁物。

哲 猫 : だいいちパスポートはもう要らないんじゃ・・・

Junky : よし!ドルを使うことにする。しばらく待っててくれ。

哲 猫 : どこ行くつもり?

Junky : 外で闇両替。



*写真はウズベキスタンの最高額紙幣200スム


Junky
1999.10.23

著作・Junky@迷宮旅行社=http://hot.netizen.or.jp/~junky From Junky
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